超・入門 科学する麻雀
とつげき東北(著) ・ 福地誠(編)
単行本(ソフトカバー): 191ページ
出版社: 洋泉社(洋泉社MOOK)
ISBN-10: 4862480993
ISBN-13: 978-4862480996
発売日: 2007/1/11
価格: ¥ 1,260 (税込)
■ 内容紹介
「ツキ」や「読み」や「流れ」で麻雀を語っていても何も変わらない! ネット雀荘「東風荘」で注目を集め、学会や大学講義でも麻雀研究成果を発表するなど大活躍中の「科学的麻雀の寵児・とつげき東北」が、数理の力であなたの麻雀を変える!
ベストセラーとなった前著『科学する麻雀』(講談社現代新書)の戦術をライター・福地誠氏が丁寧にまとめ、実践演習問題、漫画、イラスト、お笑いコラムに座談会、最新研究成果から麻雀プロによる『科学する麻雀批判』まで、ありとあらゆる要素をつめこんだ、既存の「麻雀戦術書」と一線を画する渾身の1冊!
戦術部分内容
第1章 麻雀とはどんなゲームか?/こんな麻雀必勝法は信じてはいけない/勝ち負けに「ツキ」などない/「流れ」を意識するなど無意味/麻雀はこんなにシンプルなゲームだった/麻雀を制する13の法則 など
第2章 最強の攻撃理論/自分が先にリーチできる場合/自分はリーチまであと一歩、相手のリーチはなしの場合/相手のリーチを受けて自分の手がほどほどの場合 など
第3章 最強のベタオリ理論/麻雀とは半分はオリるゲームである/負けないオリ方とは/ベタオリ技術を法則化する など
第4章 データが示す17の正解/絞りは有効か?/読みは役立つか?/トップのときは守るべきか? など
第5章 実践演習30題
ほか。
■ 管理人の感想
とつげき東北氏(以下凸氏)の2冊目。前作『 科学する麻雀 』を読みやすくまとめ、座談会や最新論文、はたまた漫画まで数々のおまけを追加したもの。
前作よりも、かなり砕けて書いてあり、格段に読みやすくなっている。
(まあ、麻雀をデートに結びつけるのは、無理がある気がしたが・・・)
前作『科学する麻雀』では評価保留とさせてもらったので、今回初めて凸氏の本を読んだつもりで評価させていただきます。
→ 前作『科学する麻雀』のレビュー
ここから本題です↓
既存の戦術等を真っ向から否定し、新たな戦術を説いている。
少し例を挙げるとこんな感じ・・・
・「流れ」は諸概念のゴミバコ
・麻雀には攻撃とオリしかない
・先制ピンフのみは即リーチ
・字牌の絞りは不要
・麻雀は半分ベタオリするゲーム
・リーチ宣言牌のソバは普通の危険度
・裏スジは普通の危険度
もしかしたら、人によってはこれらのことも、ごくごく当たり前のことだと言うかもしれない。
しかし、これらをデータを出して説いたことは大きな功績であると思う。
麻雀プロの中にも何人かデジタルを名乗り、戦術書を書いている輩を見かけるが、きちんとデータを出した奴いたか?
その点、データをきっちりだした、凸氏の本には高評価を与えたい。
実戦演習30題で、凸氏の麻雀をどこまで理解したかチェックしよう。
十分に厳選された立体何切るである。
ただし、厳選しすぎてしまったのか、つまらない何切るになってしまった印象がある。凸氏でなくともこう打つであろうという問題がほとんどになってしまっている気がした。
まあ、逆に他人にすすめやすいけどね。^^
氷室氏、小林プロとの座談会も非常に面白い。
「いや!ゲーム性としてはむしろクソじゃないの?(笑)」
「意味なく複雑かつ大雑把な点数計算システムとか・・・」
・・・などなど、おもわず笑ってしまい、妙に納得してしまうところ多数。点数計算の複雑さに関しては激しく同意。ルールに関しても日本共通ルールを作れよと前から思っています。
最後に『科学する麻雀への賛否両論』と題した、麻雀プロ達の感想が載せてある。これを掲載したのは偉い!!どのプロがどんな意見を持っているのかが分かり。非常に参考になった。
基本的に『科学する麻雀』を頭ごなしに否定するプロはたいした実績を残してないし、たいした本も出していないことが分かったよ。m9(^Д^)
さて、ここまでベタボメでしたが、ここから否定的な意見も書きますね。
『「ネット麻雀」をリアル麻雀の応用できない奴はバカ!』とある。その言葉自体に対してはその通りだと思う。
・・・が、実際のところ、どれくらいデータに差があるのだろう?
実は東風荘って、最近の一般ルールと比べると、かなり変則ルールなんですよね?
・東風戦。
・食いタン無し、後付け有りの「なしあり」という変則ルール。
・27000点持ちの30000点返し。
・食い代え有り。
・形式テンパイ有り。
・親がノーテンの場合でも連荘。
(これ、始めに書いておかないとダメじゃないの?)
これらのルールの違いが、一般的なルールと比べた時に、どれだけデータに差が出るかは疑問。管理人は東風荘に出入りしていないが、このルールで打つのであれば、かなり打ち方を変えざるを得ない。凸氏のような先手必勝・押し引きのハッキリした打ち筋が東風荘において有利なのは間違いないからだ!
実は管理人は、前作『科学する麻雀』を読み終えるまで、東風荘が食いタン無しとは知らなかった。^^;;;
何故、食いタン無しと書かないの?嫌がらせか?ヽ(`Д´)ノ
どういうルールでデータ取りしたかは、一番大事なことだと思うのだが・・・?
ネット麻雀とリアル麻雀では違うとか、そんなことは言いたいわけではない。ただ、どのようなルールでデータ取りしたかは、必ず提示しなければならないと思う。(`・ω・´)
その上で読者がそのデータをどこまで使うか判断すれば良いのだ。
※誤解のないように何度も書くが、食タン無しでのデータ取りが悪いと言ってる訳ではない。「データは、こういうルールのモノです」と書かなければダメと言う事。
なお、凸氏の麻雀だが、本書中の漫画で高梨くみさんも書いているように、”地味”。うんうん、管理人もそう思う。(^^ゞ
さてさて、いろいろ否定的な意見も書きましたが、それでも今までの麻雀本とは一線を画す革命的な本です。
管理人はこの本の内容を鵜呑みにしているわけではないが、参考にさせていただいている部分は非常に多い。
とりあえず、まだ読んでない人は今すぐ読もう!(^ω^)
初・中・上級者向き
(デジタル派だろうが、オカルト派だろうが、とりあえず買い!)
赤対応:無し
総合評価 92点
購入はこちら → amazon.co.jp
※2009年2月に『おしえて!科学する麻雀』出てます。→ こちら
PS.
余談ですが、管理人はネット麻雀(麻雀格闘倶楽部)とリアル麻雀では、かなり打ち方が違います。ネット麻雀では、基本的にデジタルですが、リアル麻雀では、かなりオカルト入ってます^^ゞ
とつげき東北(とつげき・とうほく)
1976年兵庫県生まれ。2001年、東北大学工学部通信工学科卒業。02年、北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科中退。
大学在学中の99年にインターネット麻雀「東風荘」でデビューするや圧倒的な実力を発揮。同年、科学的な麻雀を説く「システマティック麻雀研究所 」をウェブ上に立ち上げ、ネット麻雀のカリスマとなる。初の著書『 科学する麻雀 』(講談社現代新書)は、麻雀書としては21世紀最大のベストセラーとなった。現在は国家公務員として中央官庁に勤務する傍ら、麻雀研究をライフワークとして続けている。
(超・入門 科学する麻雀 著者紹介より)
とつげき東北・システマティック麻雀研究所
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