【レビュー】よくわかる麻雀の勝ち方 ~牌効率から読みまで極める30の技術~ (平澤 元気・著)
- 2016/09/08
- 21:26
よくわかる麻雀の勝ち方 ~牌効率から読みまで極める30の技術~
著者: 平澤 元気
単行本:224ページ
出版社:マイナビ出版
発売日:2016年8月25日
価格: 1,490円+税
■内容紹介
「情報を使いこなす」ための麻雀思考整理術
「麻雀においては牌効率(受け入れ枚数)→牌理(速度と打点のバランス)→状況判断(読みやルール対応)と打ち手のレベルが上がるほどに処理する情報が増えていきます。牌効率を学んでいる人に突然読みの話をしても、それは情報過多となり、雀力は上がらないどころか混乱の原因となることもあります。情報とは薬のようなもので摂取するタイミングと分量が重要なのです」―平澤元気―
本書は「絶対にラスを引かない麻雀」で高度化する現代麻雀戦術を論理的かつ分かりやすく解説してくれた平澤元気プロによる麻雀本第2弾です。
今回の主要テーマは攻撃です。本書では麻雀の攻撃における思考経路、つまり「牌効率」→「牌理」→「状況判断」の3段階の考え方を整理して提示しています。
例えば、牌効率編は「麻雀は比較のゲーム」という見出しで始まりますが、牌効率上の正解を選べる思考ルーチンは、以下のようなものだと解説されています。
(1)自分の手牌のブロック数を把握する
(2-1)4ブロック以下なら「浮牌」を比較する
(2-2)6ブロック以上なら「ブロック同士」を比較する
(2-3)5ブロックなら「フォロー牌」「余剰牌」を比較する
(3)例外判断をする
言われてみると納得ですし、意識せずにやっていた方も多いと思いますが、言語化して整理することで戦術として使えるようになります。
ネット上にあふれる情報をただ「得る」だけではなく、それを「使いこなす」ことが重要だと平澤プロはいいます。そして本書で情報の整理ができるようになれば、今後手に入れるすべての情報を生かして「強くなり続ける」ことができるはずです。
常に立ち返ることのできる「麻雀の勝ち方」を示した一冊、ぜひ手に取って読んでみてください。
■著者について
平澤 元気(ひらさわ・げんき)
1990年6月15日生まれ。新潟県燕市出身
全日本麻雀協会所属プロ
第2回全日麻雀杯 優勝
天鳳最高段位 十段
CSモンド『zoo 麻雀道学生選手権』の解説、天鳳公式チャンネル(ニコ生)で『天鳳解体新書』で好評を得る。
■第1章 よくわかる麻雀の勝ち方[牌効率編]
技術1 情報を「得る」ではなく「使いこなす」
技術2 麻雀は比較のゲーム
技術3 4ブロック以下の場合の選択(1)
技術4 4ブロック以下の場合の選択(2)
技術5 6ブロックの場合の選択
技術6 5ブロックの場合の選択
技術7 一番広いイーシャンテンは?
技術8 待ちの強さって?
練習問題
column 麻雀の実力って何ですか?
第2章 よくわかる麻雀の勝ち方[牌理編]
技術9 「曖昧さ」を甘受する
技術10 リーチ判断
技術11 打点という評価軸
技術12 目指すべき場所
技術13 シャンテン戻し
技術14 高打点を作るテクニック
技術15 三色に見えるけど…?
技術16 迷彩はテンパイピーク理論
技術17 2つの七対子
練習問題
column 「競技」の魅力
第3章 よくわかる麻雀の勝ち方[副露編]
技術18 副露基準を作る(1)
技術19 副露基準を作る(2)
技術20 副露役の本質【ホンイツ編】
技術21 副露役の本質【トイトイ編】
技術22 副露役の本質【チャンタ編】
技術23 副露役の本質【タンヤオ編】
練習問題
column 「流れ」に文句はないけれど
第4章 よくわかる麻雀の勝ち方[状況判断編]
技術24 場況読みの基本
技術25 データに隠された「場況読み」のメリット
技術26 セオリーを突き詰める
技術27 場況読みが選択に与える影響は?
技術28 ルールが違うと何が違う?
技術29 点数状況とルールによる打牌選択
技術30 まだ時間ある?
練習問題
column 様々な価値観
第5章 よくわかる麻雀の勝ち方[データ編]
特別コラム 「デジタル」という「オカルト」
麻雀研究者座談会 [出席]平澤元気 みーにんさん nisiさん
購入はこちら → amazon.co.jp ・ Kindle版
■管理人の感想
前作『 絶対にラスを引かない麻雀 ~ラス回避35の技術~ 』で好評を博した平澤元気プロの第2段。
内容は前作とは全く違うテーマで、今回は『「情報を使いこなす」ための麻雀思考整理術』とのこと。
「情報をどう読むか?」「情報をどう整理するか?」が上手くまとめられています。・・・と書いてもピンと来ない人がほとんどかと思われますが、単純な「問題と解答が載っている本」ではなく、「解答を出すまでの過程」や「実戦での活かし方」をメインに置いた本とでも言えば良いでしょうか?
練習問題は良問揃い。本編以外のコラムも面白く、個人的には、かなりオススメの一冊。
ただし、読み手を選ぶ一冊でもあるかと? データを入れることで信頼性を増していますが、これが逆に読み手のハードルを上げてもいます。
内容的には中級者以上向けという位置づけの本と思われるが、実質上級者向けになってしまっている気がしないでもない。少なくとも戦術本を何冊か読んで、既にある程度の知識を得ている人向けでしょう。
独自の用語定義があったり、専門用語も多いので、巻末に用語集でもあれば、多少はハードルが下がったかも?
購入の際の目安として、みーにん本『 統計で勝つ麻雀 』を高評価した人は買いで、みーにん本が低評価なら本屋で実物を見て検討(というか、たぶん合わない)、といった感じでしょうか? データ等が大好きな方なら即買いで良いと思います。
中~上級者向き
(※内容的には中級者以上向けだと思いますが、ある程度の知識レベルがないと、価値がわからない本かも?)
赤対応: あり
総合評価 90点
購入はこちら → amazon.co.jp ・ Kindle版
「前作から半年しか経ってないんだぜ」って人はクリック
■誤植とツッコミ
P74牌姿C 3356m344589p3567s わかりやすさを別にすればの話にはなるが、8pを残せばツモ6pでリャンメンカンチャンができるので何切る的な解答は打9pになる。
P84牌姿A 少牌
HAZさんとこから持ってきたグラフ画像が汚いのが気になりました。
まあそうは言っても、すごいお金がかかっている堀内本『神速の麻雀』と比べるのは酷ですかね?
(※『神速の麻雀』はグラフをトレースして作り直しています。)
平澤プロの本はわかりやすさがウリだと思うので、シームレスやコンセンサスといったカタカナ用語は使わない方が良い気がしました。
■関連リンク
・8月24日に二作目を出版いたします。 (張った形が最終形!!)
・平澤本2のはなし (張った形が最終形!!)
・平澤本座談会コメント 1 (現代麻雀理論)
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