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No title
迷ってる本はウザクレビューで買うかどうか決めてるんで
いつもどおり厳しいレビューお願いします
麻雀の誕生
著者: 大谷 通順
単行本:258ページ
出版社:大修館書店
発売日:2016年8月25日
価格:2,200円+税
■内容紹介
◆いつ、どこで、どのように生まれたか?
◆中国・アメリカ・日本に眠る貴重な文献や実物写真多数掲載!
「ポン! 」「チー! 」という中国風のかけ声、牌の表面に彫り込まれた漢字と神秘的な文様……
あたかもはるか昔から存在していたゲームのように錯覚していないだろうか?
その歴史は意外に浅くわずか90年前にはそのよび名さえ定まっていなかった……。
「麻雀」誕生の真実にせまる、初の試み!
著者について
1956年生まれ。中国文学者。
北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。北海学園大学教授。
著書(共同執筆):『日中文化交流史叢書〔5〕民俗』(大修館書店、1998年)
訳書:ウー・ホン『北京をつくりなおす――政治空間としての天安門広場』(国書刊行会、2015年)
論文:「故宮博物院の完全なる馬吊牌(中)」『北海学園大学学園論集』第161号(2014年)
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■管理人の感想
とある縁で発売日前に入手することができたので、簡単にレビューしたい。
我々が楽しんでいる麻雀は、いつ、どこで、どのように生まれたか?
「麻雀」の由来とその近代化の経緯を、初めて体系的に明らかにした研究書。
我々は麻雀をプレイこそするが、麻雀のことを何も知らない。
例えば、フリー麻雀荘に『マーチャオ』という全国チェーンがあるが、この『マーチャオ』は北京での呼び方(方言)であるということを知っている人も少ないだろう。
この本では『マージャン』という呼び名がどこで定着したかなどを詳しく知ることができる。
完全にマニア向けの一冊だが、興味のある方は是非にといったところだ。
発売前ということもあり、あとは管理人が一番興味を引いた部分を取り上げておわりにしたい
麻雀が中国でどのようにプレイされてきたかを知る上で、麻雀を扱った小説がいくつか紹介してある。
そのひとつが、張春帆(ちょうしゅんはん)の『九尾亀』(1906~10年)という作品で、そこでの記述が非常に興味深い。
じつは、これは当時よくプレーヤーの口の端にのぼった定石なのだ。すなわち、対面のツモがよいときは、それが捨てた牌はポンをする必要がなくてもあえてポンをし、流れがこちらにくるようにする。下家のツモがよいときは、それにチーを絶対させない牌だけを切り、自分自身はチーができてもあえてせず、下家の流れをよびよせる。上家のツモがよいときは、チーする必要がなくてもあえてして、ツモはせず、悪い牌がそちらに流れるようにする、というもの。(P125) |