【レビュー】 黒いデジタル麻雀 ~現代流データ戦術を斬る~ (石橋伸洋・著)
- 2015/04/30
- 09:00
黒いデジタル麻雀 ~現代流データ戦術を斬る~ (マイナビ麻雀BOOKS)
著者: 石橋伸洋
単行本:224ページ
出版社:マイナビ
発売日:2015年4月24日
価格: 1,490円+税
■内容紹介
画一化された現代麻雀を逆手に取る
最高位、發王位(リアル)、モンド杯優勝(TV)、天鳳名人(ネット)と、どのような環境、ルールでも勝ち続ける男・石橋伸洋が自身の打法「黒いデジタル打法」を伝授する待望の一冊が完成!
レベルが上がった現代の麻雀で最大限勝つためには、自分の選択によって相手に間違った選択をさせたり、自分に協力してもらったりする必要があります。私が「黒い」と言われてしまうのも、きっとこのような考えを大切にしているせいですが…
(まえがきより抜粋)
第1章 現代流の手作り ~相手はこう打つ~
第2章 黒いデジタル 基本編
第3章 黒いデジタル 局面編
第1章では相手がどう打つのか、現代流のセオリーをみっちり叩き込みます。
続く第2章が本書のメイン。前章で解説されたような現代流のデジタル戦術の弱点を突き、その上を行く黒いデジタル麻雀の本領が発揮されています。
そして第3章では応用編として局面ごとに分けて、どのように打てば良いかという方針が示されています。
本書には中途半端ではなくしっかりと勝てるようになってほしいという石橋プロの願いが込められています。
”勝つこと”ではなく”勝ち続けること”に徹底的にこだわってください。
■目次
第1章 現代流の手作り~相手はこう打つ~
統計だけでは上位になれない
上位5%に入るために
まずは基本が大事
最速リーチへの孤立牌選択
先制リーチに向けた手作り
5ブロックか6ブロックか
リーチ時の河に気をつける
リーチ判断
ベタオリ
鳴き判断
テンパイ料について
積み棒、供託について
ルールで異なる順位点の考え方
コラム:左から2番目に注意
第2章 黒いデジタル 基本編
早いリーチがきそうな捨牌
リーチに遅い捨牌
序盤の安全意識の持ち方
リーチの待ち・手役読みの注意点
早い数牌の切り出しの意味
リーチの手役の可能性を考える
リーチの好形読み
リーチに通り易い牌を探す
リーチ者が持っている数牌を考える
リーチ者の出来メンツを考える
スライド読みから通せる牌を探す
フーロの待ちを読む
喰い延ばしの可能性を考える
フーロ手読みは捨て牌の順番が重要
フーロの待ちを読む 実戦編
黒いデジタル 迷彩のための空切り
フーロ手の空切り
待ちの部分を空切りするケース
スライドを読ませてダマす
フーロの打点を読む(高打点)
フーロの打点を読む(低打点)
黒いデジタル フーロの打点を読ませる
ベタオリテクニック
コラム:麻雀上達のための心構え(プロスペクト理論)
第3章 黒いデジタル 局面編
東場はじっくり
巡目による打ち方
さまざまな終局・子編
さまざまな終局・親編
押し引きの判断基準
チートイツの作り方
リードしている南場の打ち方
ビハインドしている南場の打ち方
局消化(アシスト)
しぼる
オーラス
コラム:黒いデジタル実戦編
■著者について
石橋 伸洋(いしばし・のぶひろ)
1980年9月29日生まれ、千葉県出身
最高位戦日本プロ麻雀協会 理事
17歳で麻雀を覚え、ネット麻雀「東風荘」で修行を積み大学3年の春にプロデビュー。
温和な顔に似合わぬ黒いデジタル。
鋭い読み、黒い策略で大胆でスピードある攻めのコンビネーションに特徴があり、その戦術の幅広さを生かしてテレビマッチの「第10回モンド杯優勝」、その後に自団体のタイトルである「第19期發王位」、「第36期最高位」を史上初の同時制覇。
有名トッププロやネット麻雀「天鳳」の強豪が集う天鳳名人戦では第3期で優勝し第1期~第4期の通算成績でも全参加者を圧倒し続けている。
購入はこちら → amazon.co.jp ・ Kindle版
■管理人の感想
天鳳名人戦でおなじみ「ばっしー」こと石橋伸洋プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)の初戦術本。
第36期最高位、第19期發王位でもあるすごいプロです(*´ω`*)
ネットの最新戦術満載。書籍では初めてみる戦術のヒントも沢山紹介されています。
統計データが載っているわけではありませんが、最新の統計データを使った戦術ですね。
ただ、内容も解説も難しい。 Amazonのカスタマーレビュー でも挫折者が出ているように、とにかく難しい。
統計データや計算式等を扱ってない麻雀戦術書の中では1、2を争う難しさでしょう。
完全に上級者向けの本です。 「上位5%に入るための本」ではなく、「既に上位5%の人が、上位5%であり続けるための本」又は「上位5%の相手に差をつけるための本」ですね。
ひとくちに上級者向けといっても、どこからオススメ出来るかが難しいところですが、上の画像あたりを読んで意味が解らない人には、この本はまだ早いです(´・ω・`)
●第1章 現代流の手作り~相手はこう打つ~ (48ページ)
心構えから、手作り、リーチ判断まで。現代流攻めのセオリーを解説。
他の戦術書の数倍のスピードで解説が進みます。初心者はここで挫折するかと?
(※解説のスピードは、上の2枚の画像を参照のこと)
●第2章 黒いデジタル 基本編 (107ページ)
基本編となっていますが、実際の内容は上級編・応用編というレベル・・・なんだ基本って?w
スライド読み・・・ここで終わらず、「スライドを読ませてダマす」等、裏をかくテクニックも紹介。
自分も相手も、手出し・ツモ切りを見ている前提なので、使う相手はかなり絞られます。
中級者はここで挫折ですね(´・ω・`)
●第3章 黒いデジタル 局面編 (49ページ)
単純な局収支を軸にした打ち方ではなく、順位を考慮した打ち方ですね。
アシスト等、難しい戦術も紹介されていますが、内容的にはこの章が一番理解しやすいかも?
●コラム 3つ (9ページ)
本の内容に即したコラムで、面白くてタメになる(*´ω`*)
この本で取り上げられている戦術は、”デジタルに意思を加える”といったもので合理的なものばかりです。
従来の迷彩やハメ手は、受け入れ枚数と引き換えに出アガリ率を上げるものでした。
この本で取り上げられている迷彩やハメ手は、空切り等を駆使したもので、受け入れ損がありません。
ノータイムで打てないと逆効果になりますが、マスターすれば強力な武器になるでしょう。
読みやすさという点では、まあマイナビ本なので仕方ないのでしょうか?
例によってワープロソフトで打った文章をそのまま本にしただけって感じですね(´・ω・`)
内容ぎっしり濃いですが、とにかく難しいので購入は自己責任でw
上級者向き
赤対応: アリ
総合評価 92点
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■誤植とツッコミ
P14フーロの可能性のあるタンヤオ手の場合 4,6>5>2,8>>>1,9 → 4,6>5>3,7>2,8>>>1,9
P34 AAA+ 19字牌→字牌
P111 58mをチーして4s切りのパターン
2267m355s → 2267m244s 2267m557s → 2267m446s
2267m335s → 2267m224s 2267m577s → 2267m466s
P159 西家は「東家、南家からのポン」 → 「東家、北家からのポン」
P208 (自分)の位置が西家→北家
P215 サドンデスルールに関して・・・31700点持ちのトップ目が天鳳ルールでの差し込みをしやすい状況と書いてありますがサドンデスがあるので誤り。34000以上持ちと考えてください。
著者公式ブログ(頬袋に○○を詰める日々。) → 増刷・改訂版!
■関連記事
・「黒いデジタル」石橋本ツイートまとめ (togetter)
・読まないで書く書評 黒いデジタル麻雀 (一発ツモって裏乗って満貫)
・読んだので書く書評 黒いデジタル麻雀 (一発ツモって裏乗って満貫)
・増刷・改訂版! (頬袋に○○を詰める日々。)
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